小型リチウムプレドープ装置

製品情報

本製品はリチウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン電池)の高容量化、長寿命化、安全性向上を実現するために、予めロールtoロール方式でリチウムをプレドープ(電極中へリチウムを均一に挿入する)装置です。

    • リチウムプレドープ技術はリチウムイオン電池の正極、負極の容量バランスを考慮した効率的なセル設計を可能にし、リチウムイオン電池の性能改善や差別化に有効であることが広く知られています。

製品の特徴

本機は、現行のリチウムイオン電池のロール電極をそのまま用いて、高容量化、長寿命化、安全性向上など、お客様のニーズに合わせた電池設計および電池の開発を可能とするプレドープ設備です。

  • 運転負荷(人員、消耗品、etc.)が小さく、少量多品種のサンプル試作が容易です。
  • セル設計検証、活物質スクリーニング、電極組成検討等の点から、プレドープ(pre-lithiation)を適用したリチウムイオン電池の開発スピードを加速することが可能です。
  • 製品レベルの大型セル用電極へのプレドープ(pre-lithiation)が可能で、量産装置導入を見据えたプロセス条件の最適化検討を事前に行うことができます。

製品の革新性

これまで、工業レベルで電極内部(活物質内)に所定量のリチウムを均一に入れる技術は難易度が高いとされてきました。

これを実現するためには、高度な「化学反応:ケミカル」「電気化学:エレクトリカル」「搬送設備:メカ」の専門知識、技術の融合が必要となります。

この度、当社がこれまで培ってきた化学・電気化学・メカ技術を総結集し、巻回機等の電極搬送技術で実績があるCKD株式会社とパートナーを組むことで従来は困難であった工業レベルでのロールtoロール方式のリチウムプレドープ装置を開発することができました。これによってリチウムイオン電池の開発・製造プロセスにおいて、プレドープの導入が検討可能となります。

プレドープが注目されている理由

本機が提供するプレドープ(pre-lithiation)の技術を使った蓄電デバイスの登場は2005年ごろが最初になりますが、当時は、正負極とも多孔質集電体(穴の開いた集電体)を用いた系内プレドープという手法が用いられ、セル内に配置した「リチウム箔」と「負極電極」を短絡させておき、電解液を注液すると同時にドープが始まるといった方式でした。

しかし、この多孔質集電体というのは当時、利用用途が限られていたこともあり、製造コストが高いという課題がありました。したがって、当時は、価格競争の激しかったリチウムイオン電池市場において、追加コストがかかるプレドープ技術の導入が本格的に検討されることはありませんでした。

一方、近年になりリチウムイオン電池市場は、単純な価格競争だけでなく、性能面での差別化が重視されてきております。その中で、リチウムイオン電池の高容量化、長寿命化、安全性向上を実現するプレドープ技術が改めて注目されてきているのです。

特に本機が採用する電気化学的に所定量のリチウムを均一に入れる方式は、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を検討しており、将来的な量産化も視野に入れたリチウムイオン電池メーカー、及び電池技術を使った電気自動車メーカーや、先進コンシューマープロダクトメーカーから高い注目を集めています。

プレドープ技術がもたらすメリット

    • プレドープ技術(pre-lithiation)の導入により、リチウムイオン電池の正極材として使われている高価な希少金属の使用量を低減することが可能となります。
    • 設計次第でリチウムイオン電池へのリチウムプレドープによりエネルギー密度を20%~40%程度向上させたり、リチウムイオン電池のサイクル寿命を3~4倍程度伸ばすことが可能となります。

(概念図)不可逆容量を減らすことによるエネルギー密度向上

対象業種・メーカー

  • 他社と電池性能の差別化を図りたいリチウムイオン電池メーカー様
  • 高度なリチウムイオン電池特性の制御技術を必要とするEVメーカー様/ 先進コンシューマープロダクトメーカー様

高出力、長寿命、高安全性のリチウムイオンキャパシタ

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