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EDLC(電気二重層キャパシタ)とは何か

EDLC(電気二重層キャパシタ)とは何か

バッテリーや蓄電装置の種類で、「EDLC」という言葉がよく使われますが、その内容が分からないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、EDLCの定義や特長、その種類についてご紹介します。

EDLCとは?

EDLCとは、Electric Double Layer Capacitor の略で、日本語では電気二重層キャパシタ(コンデンサ)と訳されます。

キャパシタの一種ですので、電気を蓄えるのに電池のような化学反応を使うのではなく、電極表面への吸着力を利用します。(「キャパシタとはなにか」参照

この吸着力をもたらすものこそ、このキャパシタの名称の由来ともなっている「電気二重層(Electric Double Layer)」なのです。

電解液に導電体を浸し、正、負極間に電気を流すと、正極の表面ではマイナスイオンが、負極の表面ではプラスイオンが、それぞれ1分子の層となって吸着し、その外側の電解液に拡散層が広がるという現象が生じます。電極表面に形成されたこれらのイオンの層のことを電気二重層と呼びます。

電気二重層として蓄えられる電気の量は、電極表面の広さに比例して増えていきます。つまり、同じ体積の電極に、より多くの電気を蓄えるには、表面積の大きな材料を使う方が有利というわけです。EDLCの電極材料として広く活性炭が使われている理由はここにあります。

EDLCの特長

EDLCはキャパシタ(コンデンサ)本来の急速充放電性、長期信頼性、安全性といった特長に加え、活性炭表面に形成された電気二重層容量を利用することで、積層セラミックコンデンサやアルミ電解コンデンサなどに比べ、桁違いの容量の電気を蓄えることができます。

その容量の大きさから、EDLCのことを「スーパーキャパシタ」と表記する文献や論文をしばしば見受けますが、これは商標登録された商品名であり、学術上は正しくありません。これらの表記に出会った場合は、EDLCと読み換えて理解する必要があります。

このEDLCも製品化されてから40年以上が経過し、近年開発が活発化しているハイブリッドキャパシタ等に比べると容量面では後塵を拝しつつあります。但し、完全放電して使えるなど、使い勝手のよさもあって、今なおグローバルに広く普及しているキャパシタです。

EDLCの種類

EDLCには幾つかの種類があります。

材料による分類

まずは使われる材料による分類からご説明します。

EDLCを構成する材料の中でも特に重要な要素として、電極と電解液が挙げられます。

このうち電極材料としては、先述したように多くの場合、活性炭が用いられます。

一方の電解液については、大きく有機系(非水系)と水系とに分けられます。

すなわち、EDLCは有機系のEDLC、水系のEDLCという分け方で分類することができます。

有機系のEDLCは、水系のEDLCに比べ、使える電圧が高いという特長があります。

これは、有機系の電解液の方が水系に比べ、電気化学的な分解電圧の幅が広いためで、耐電圧は水系の約0.8Vに比べ、有機系では2.3~2.8V程度となっています。

その一方で、安全性の面からは可燃性の電解液を使用しない水系EDLCの方がより安全と言えますし、製造メーカーサイドにも、水分の混入を気にしなくてよいというプロセス上のメリットがあるなど、それぞれの特性を活かした使い分けがなされています。

形状による分類

EDLCのもう一つの分類が、形状による分類です。

小型のEDLCの代表がコイン型とチップ型で、多くは基板に実装されて、携帯機器のメモリーバックアップ用途などを中心に広く使われています。

より大型のタイプとして、円筒型、角型、ラミネートパッケージ型などのEDLCがあります。これらはセル単独で使われることもありますが、多くはモジュール化されて、電子機器、移動体などのバックアップ電源、メイン電源など幅広い分野で使用されています。

EDLCについてのまとめ

いかがだったでしょうか?

EDLCの定義や特長、その種類についてご紹介しました。

弊社ではEDLCとリチウムイオン電池をハイブリッド化し、その両者の特長を活かしたリチウムイオンキャパシタの開発・製造を行なっております。興味のある方はご参考にしてください。

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